味噌は作らないと思ってたのに
日本にいるころからわりと手作り派の我が家。
麺つゆや焼き肉のたれ、ドレッシングは作るもの。たまに買うけどね。
ちなみに学校で集める雑巾も買わない派。
なぜ手作りかというとたんにケチなだけ。だって、家にある材料で作れるのに、わざわざ買うってどうなのよ。
家で作ったものではどうしても満足できない時。作り置きを切らしてて、でも忙しくて手早く済ませたい時。そういう時は無理せず買う。やっぱり楽ですわ。
実家では味噌を仕込んでいるので、自家製のお味噌のおいしさ、十分知っている。
でも味噌づくりだけは自分でやらないと思ってた。
なにしろ味噌の材料は普段から家にあるものではない。
隙間時間にちゃっちゃっと作っておけるものでもない。
だから。
アメリカに行って、どんなに入手困難でも、きっと作らないだろうと思ってた味噌。
実際、アメリカで、「おかあさんだし入りみそ」が日本で買うよりはるかに高い値段になってるのを見ても、作らないと思ってた味噌。
そもそも、味噌汁を毎日食べる家じゃないし。
だけど。
冬のある日、友人が「来週、味噌づくりをするんだけど、いっしょにやんない?」と声をかけてくれた。基本的に手作りは好きだし、興味もあってお邪魔することに。
そのお宅では前日から浸水した大豆を、早朝から茹で、私がお邪魔したころにはもうそろそろ茹で上がるかなということだった。
そのお宅の鍋総動員での茹で作業。
産直品のお店で、オーガニックの大豆、シーソルトを買い、カナダからのお取り寄せのオーガニック麹。大量なので、衣装ケースで3人がかりの捏ね作業。
私はお邪魔して体験だけのつもりが、私の分も分けてくれた。
寝かせること4か月、なんとまあ、それはそれは美味しい味噌ができた。さすがに4か月だと発酵が浅く、色も淡く、味も若い感じがするものの、麹と豆の甘味が何とも言えず。
あーやばい。この美味しさを知ったら…。
結局、自分でも引き続き味噌を作ることになってしまった。でも材料は、市販のみやこ麹と普通に買ってきた乾燥大豆、普段使ってるのより、ちょぴっとだけグレードのよい塩。
これでもじゅうぶんおいしくできた。カビもつかず完璧なときもあれば、たまにカビが付いちゃったり。カビは丁寧に取り除けば大丈夫、と実母からのアドバイス。
ちょっと得意になって、日本びいきのアメリカ人の友人にもおすそ分けしたら、味噌汁を作って食べたらしく、美味しい味噌だと喜んでくれた。さらに彼女、日本のことをよく知らないお友達にも味噌汁を振る舞ったところ、その彼女も美味しさに大感激だったというではないか。わーい!
味噌がたくさんあれば、やっぱり使うので、味噌汁の登場回数も増え、味噌おにぎりや、ピーナツ味噌、シソ巻きや炒め物、食のバリエーションが増えた。
あんなに作らないだろうと思っていた味噌なのに、楽しい·美味しい·嬉しいで、作って良かった〜。
日本に戻っても味噌作るのかな、私。
それはどうだろう。あの手間をかけなくてもおいしい味噌がそこそこの値段で手に入る日本だから・・・。