パールハーバー!と言われたってどうすりゃいいのさ。
アメリカでも、歴史の時間に戦争のことを学ぶ。
第二次世界大戦はアメリカの歴史でも大きな戦争の一つだ。
パールハーバーの記念日みたいなのもある。
そういう授業のとき、日本人の子供たちはどのような気持ちで授業を受けているのだろうかと気になる。
以前、知り合いの小学生のお子さんが、授業中に先生から、日本人としての戦争に対する意見を求められたという話を聞いた。
その子は「戦争は私が生まれるずっと前のことだから知らない。でも戦争は悲しいことばかりだからよくないと思っている」と言ったそうだ。
質問もすごいが、とっさにその答えが言えたその子も偉い。
息子は、最近になってクラスの子から執拗にパールハーバー!と声を掛けられて困っている。
なんでしょう、たぶん彼は何かがきっかけで、覚えたての言葉なのかもしれない。毎日、挨拶代わりのようにそうやって声をかけて来るらしい。
そのほかにもジャップ!やら、ヒロシマ!やら言われ、毎日イライラしている。
「もう!あいつ殴ってやりたい!」
いやいや、待たれよ。
大人の立場からすれば、正当な手段でそれを止める手立てを講じたい。
手を出す前に、まずはやめろと自分で言え。
それがだめなら先生に言え。
それでもだめなら・・・実力行使もやむを得ない。
そもそもそんな奴のために自分の立場を危うくしてどうする?
「む。確かにそれはばかばかしい」
知り合いに、「日本の視点での第二次世界大戦」に興味を持っているアメリカ人がいる。彼女はいろいろと戦争に関する本を読んだけれども、英語で書かれている時点で、アメリカ側からの視点であるため、どうにも納得がいかないようで、日本人はどういう風にとらえているのかと聞かれた。
そんなこと普段、考えたことある?
今はどうか知らないが、彼女の年代(50代くらい)では
日本がパールハーバーに奇襲攻撃を仕掛け、アメリカは戦争に参加することになった。原爆は、暴走した日本政府を止めるためにやむなく落とした、
と習っているようだった。
その後、彼女はいろんな本を読むにつれ、どうも自分が読む物は偏っているのじゃないかと気になり始めたらしい。日本視点のものを読みたい!と。
彼女が言うには、アメリカが広島や長崎に原爆を落としたことは、どんな理由があったにせよ、よくないことだと思う。でもパールハーバーはどうなのだ?日本は予告もなくいきなり仕掛けてきて、罪もない人を巻き込んだのじゃないかと。
全く覚えてなくて、説明できず。
よって、反論できず。
実際、私の歴史の先生も日本は奇襲攻撃したといったような気がする。
その後いろいろドキュメンタリーなどでその背景などを見聞きし、決して奇襲のつもりではなかったと知ったのだが、なんだか、あれこれ後から付け足した言い訳みたいに聞こえなくもなくて。
そういうことで
パールハーバーを攻撃するに至るいろんな事情、背景を改めて勉強した。
当時の世界情勢から、海外に拠点を持ちたがっている列強国がアジアを狙っていて、日本は長引く日中戦争で疲弊した状況から抜け出したくて、駆け引きも交渉もうまくいかず、切羽詰まった状況があり・・・。
さまざま絡み合った事情は分かった。
でもやっぱり、日本から戦争を吹っ掛けたという事実に変わりはないと思う。
さてそれを、
どこからどこまで、どのように英語で説明するべかと、目下思案中。
パールハーバーの記念日がもうすぐである。
我が息子のみならず、すべての日本人の子供たちが揶揄の標的にされず、
授業中に意見を求められても毅然と対応できますように。
くれぐれも校長室からお呼び出し、とかいうのは勘弁してほしい。