GO WEST

4年の海外生活を経て夏に帰国。毎日のこと、気ままな雑記 

銃社会であるということ

またまた銃による事件が起こってしまったアメリカ。

今回はテキサス州エルパソで土曜のお昼頃、オハイオ州デイトンで日曜の未明、それぞれ銃乱射事件が起こった。ニュースはもちろん、フェイスブックでも知人がそれぞれ悲しみや怒りの投稿をして、銃規制を強化せよ、という声が上がっている。

 

以前フロリダの高校で銃乱射事件があったあと、子供たちの高校でも銃反対の意を表す集会のような、デモ行進のようなものがあった。あの時、アメリカ中がとても大騒ぎになっていたので、これは本当に、アメリカの銃に対する法律が変わるんじゃないかととても注目していたけれども、結局、あまり変わらないまま、報道もなくなり、私自身も関心が薄れてしまった。

 

アメリカでは、ここは銃社会なんだな、と実感する場面が日常にいくつかある。ほんの数年の滞在で、なおかつ比較的治安が良いという地域に平和に住んでいてもなお、はっと意識させられることがある。自分自身が銃に命を脅かされた経験がないのが、本当に幸運なのかもしれない。

今回事件のあったウォルマートだって、銃を売っている。さすがに鍵の付いたガラスケースに納められてはいるけど、販売員がその傍にいることはない。スポーツ用品店に行けば、狩猟用の銃コーナーがある。しかもそんなにべらぼうな値段じゃない。

フェイスブックではアメリカ人の友人が、誕生日のプレゼントに旦那さんから新しい銃を買ってもらったと投稿をし、それに対して、カッコいい!素敵ね!というコメントが付く。

何かイベントがあると、持ち物検査が必ずある。

信号待ちで、隣の車の同乗者が銃を持て遊んでいるのを見かけたことがある。

スーパーの駐車場でジーンズの腰に銃を差しているのがTシャツの裾がちょっと上がった隙に見えたりということもあった。

住宅街で道に迷って車を止めて地図を確認していたら、脇の家から銃を持った男二人が玄関から出てきて私らを見張っていた。

学校やスクールバスには銃持ち込み禁止のステッカーが貼ってあるし、出入りする警察官の腰には大きな銃がぶら下がっている。

学校の避難訓練はアクティブシューター(銃を持った不審者)用の訓練である。

 

銃の事件が起こるたびに、皆とても悲しんで嘆いて、銃を持つのをやめようと言うけど。ほんとにそんなこと可能なんだろうか。そういう人たちは銃を新たに買いはしないかもしれないけど、すでに持っているものを手放すのだろうか?逆に護身用にと新たに銃を持つ人もいるだろう。フロリダの事件のあとは学校の先生に銃のトレーニングを施して、警官が現場に駆け付けるまでの間、子供たちを守ろうという話も上がった。それはそれで策の一つかもしれないけど、銃問題の解決にはなっていないよね。

 

自分は外国人であり、この国にずっと住むわけじゃないから、傍観している体だけど、もし自分がこの国の本当の住人だったらどうするだろう。やっぱり護身用に一つくらいは、と考えるかもしれない。鍵付きの引き出しとかに入れて。あ、鍵をかけたら緊急時に出せないか。じゃ、非常持ち出し袋のように、すぐに手に取れる場所に?家族全員でそのありかを知ってて、子供にも使い方も教える?酔っぱらってる時につい手にしちゃったりしない?イライラがMAXで我を忘れたとき大丈夫?たまたま遊びに来たよその子が見つけたら?・・・やっぱり我が家にそんな物騒なものはない方がいい。それなら家のセキュリティを万全にして、護身術を習う方がいい。

 

まー、こんな根深く壮大な問題は考えるのが苦手である。取りとめもなく、ぐるぐると考えが回り、苦しくなる。どんなにみんながあれこれ意見を出しても、結局は「セカンド アメンドメントで銃を持つ権利が認められているんだよ」で済んじゃうんだもん。でも、なにもしないで諦めるより、何か運動をして意思を示すべきということか。

いつか変わってほしい。