裁判所からの手紙
うららかな昼下がり、郵便受けを開ける。
いつものようにチラシや請求書、ダイレクトメールに紛れて、一見普通の請求書のような、カード会社のダイレクトメールのような風体の封筒が入っていた。
オットではなく、私宛。
差出人は「UNITED STATES DISTRICT COURT」
裁判所じゃないか!ここから急に心臓がバクバクし始める。
いつぞやの、スピードの出しすぎでおまわりさんに止められた記憶が蘇える。あれはいつだった?2、3週間前?
あの時おまわりさんはなんて言った?
今回は警告ですって言わなかった?
裁判所からお呼び出しが来ちゃったよ、警告って裁判所呼び出し含むのか?
ドキドキしながら開封して、焦らないようにとゆっくりと目を通す。
Please read carefully だって。そうだね、慎重に読まないと。
Dear Potential Juror 裁判所に呼び出しされる人のことJurorっていうんだっけか。
Serving as a juror is both an honor and a privilege・・・あれ??
Your name has been drawnd by random selection from・・・あ!
Jurorは陪審員だ。これは陪審員の候補(の一歩前?)になったという手紙だ。噂には聞いていたけど、本当に自分に来るとは思わなかった。
知ってるよ知ってる。知ってますともさ。
陪審員はアメリカ国民じゃないとなれないんだよ。
ESLで習ったよ。
さてさて、手紙には候補者対象のアンケート調査があるらしく、それを期日までに回答せよというもの。 アンケート調査はWEBで行い、5分程度しかかからない、と。くれぐれも裁判所に電話としたり、手紙を送ったりすることのないようにと書いてある。
アンケート調査はいたってシンプル。
現在はこのカウンティに住んでいるか?
前年度はこのカウンティに住んでいたか?
前年度はよそのカウンティにいたか?
アメリカ国籍を持っているか?
英語は話せるか?
犯罪歴はあるか?
現在何らかの判決を受けているか?
フルタイムの職業についているか?
などなど。
そして、一番最後のページに選択肢があって、自分に当てはまる項目にチェックを入れるのだけど、
〇陪審員の免除をリクエストしない。
〇70歳以上である。
〇ミリタリーに所属している。
〇政府機関で働いている。
以上。
ないじゃん、私の選択肢。
どれかにチェックを入れないとページが進まないので仕方なく一番上のにチェックを入れて送信する。まぁ、どっちにしてもアメリカ国民じゃない時点で、免除どころか、権利すらないのだから。
冬には息子にミリタリーサービスのオフィスから手紙が来て、従軍せよと。
これもお断りできる仕組みがあったので、パスポートの写しや、学校からの証明書などを添付して、お断りの手続きをした。
これもびっくりした。
突然ドキドキする出来事が襲ってくるアメリカ生活。スリリングだわ。